今日は小鳥のセンター病院です。
今回のBLOGは鳥さんの発情についてです。雄の鳥さんの発情行動として、「求愛」があります。それによって起こる問題とは何でしょうか?
発情期の雄の鳥さんの問題点(1)
雄の鳥さんは雌の鳥さんの発情期のきっかけを作ります。雄雌のペアで飼育、または複数羽飼育している家の雄の鳥さんの発情はその後の雌の鳥さんの発情期のために重要になります。もちろん雄一羽で飼育している鳥さんにとって、発情は様々な病気を発症させる原因となります。
雄の鳥さんが発情することにより1番問題となるのは「吐き戻し」です。いわゆる求愛行動です。雄の鳥さんは雌の鳥さんへ食事を吐き戻してあげるのですが、これが過剰になると雌の鳥さんが非常に太ってしまい、飛ぶこともままならなくなってしまうほどです。雄の鳥さん一羽で飼育している場合の求愛対象は人や物になります。
特にケージの中に入っている鏡やおもちゃ、さらには止まり木やケージの隅、食器などに吐き戻しをします。吐くだけであれば問題は起こりづらいのですが、おもちゃなどに吐き戻しをした食事をまた食べる、また出すなどを繰り返す事も起こります。これによって吐いた物に細菌やカビが繁殖(バイオフィルム)をします。その細菌やカビの生えた吐き戻しをソノウに取りこんでいるうちにソノウ粘膜の免疫が負けてしまい細菌やカビなどが繁殖します。すなわち「細菌性ソノウ炎」や「真菌性ソノウ炎」になってしまうことがあります。
また、吐き戻しが多いと飲水量も増えていくので便に含まれる水分量も増えていき、いわゆる多尿便になってしまいます。吐き戻しの対象が物の場合(鏡やおもちゃなど)はこまめに洗うことによりソノウ炎などの病気を程度防止できますが、自分自身の体、食器、止まり木などに吐く場合はさらなる問題を起こす可能性があります。自分自身に吐く(脚や肩)場合、羽が抜け皮膚が炎症を起こすので、重度の皮膚炎を起こす場合があります。止まり木に吐くと足で踏んでしまうことがあるので、趾瘤症(バンブルフット)の原因になることがあります。さらに、これらは鳥さんを飼育するうえで撤去できない物なので、吐く量や回数をコントロールすることが非常に難しくなります。