今日は小鳥のセンター病院です。今回のBLOGは鳥さんの疥癬症についてです。非常にかゆみが強い病気です!!
お宅のインコちゃんは顔や脚などを痒がりませんか?その際、止まり木やケージの網、食事入れなどにこすりつける姿をみかけますか?さらに、嘴の脇(口角)やロウ膜の周囲、足や肛門周囲に軽石状の無数に開いた小さい穴の白い塊がありませんか?これらの痒がる姿や無数に開いた小さい穴の白い塊は疥癬症の可能性があります。
疥癬症の原因は穿孔ヒゼンダニ(トリヒゼンダニ)と言うダニの感染によって起こります。このダニは名前の通り皮膚に穴を掘って暮らしています。卵を産むのも、幼虫が育つのも全て穴の中で行います。唯一交尾のみ皮膚の上で行われます。一生を皮膚で過ごすこのダニは0.3-0.4mmほどの大きさなので、ダニ自体を肉眼で発見することはできません。感染は症状と病態、顕微鏡でダニを見つけることによって確認出来ます。穿孔ヒゼンダニ(トリヒゼンダニ)の起こすかゆみは、ダニが穴をほり、老廃物や脱皮物へのアレルギーにより痒みを生むと言われています。穴を掘る刺激などによって皮膚が厚くなる角化と言われる症状があらわれ、これが症状の1つである軽石状の小さい穴が無数に開いた白い塊(結節)を作ります。この白い結節症状は感染後すぐにあらわれるわけではありません。感染後症状が現れるまで、数か月から数年かかる場合もります。発症理由は年齢やストレスなど様々なことがきっかけで起こります。また、一度症状が出ても、改善することもあり見落とされがちです。しかし、この症状が治療せずに進行すると結節が大きくなり、痒みもひどくなります。それによって出血や皮膚炎を伴い、更にひどくなると嘴の変形や爪の変形、感染部分の皮膚の肥厚などが起こります。最後には嘴や爪の脱落が見られる場合もあります。この病気は接触することだけで、同居している鳥さんにうつります。先ほど記述した通り感染してもすぐに症状に現れません。そのため、感染した鳥さんだけを治療していると、後に同居の鳥さんが発症する事になります。接触したことがある鳥さんがいる場合は症状が無くても治療することが重要です。
この病気は数回の治療で完治できる病気です。できるだけ早く病院へおいで下さい。
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